パーソナルファブリケーション時代におけるBlockchainを用いた製造情報保存システム

概要

デジタルファブリケーションの普及を背景に,インターネット上で公開された設計図データを入手し,個人の環境に合わせて改変,製造を行うといった,パーソナルファブリケーションと呼ばれる個人的な製造が積極的に行われている.そうした中で,個人で製造物の製造者,設計者のデータを管理しておくことは困難である.パーソナルファブリケーションにおける製造物のデータ管理においては公開性,完全性,追跡可能性の3点が求められる.そこで,本研究ではP2Pネットワーク上でデータが検証されたことを合意し公開台帳を形成するシステムであるBlockchainを用いて製造物の情報の保存を行うことで3点の要件を担保できると考えた.実験システムとして,Raspberry Pi3で3Dプリンタの制御を行いプリント実行時にEthereum Blockchain上に製造物の情報を保存するシステムを実装した.上記3点の要件に対して評価を行い,要件が満たされていることを確認した.

収録
マルチメディア,分散協調とモバイルシンポジウム2017論文集